自動車が水没した場合に自動車保険は使えるのか?

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各地で台風や大雨による被害が多発していますが、被害を受けるのは住まいだけではありません。自宅の水没と同時に敷地内に駐車している自動車が水没してしまうこともあります。今回は自動車が台風や大雨の水災害により水没してしまった場合に自動車保険が使えるのかについて解説していきます。

【1】自動車が水没するとどうなる

自動車は、エンジンやモーターで駆動し、電気装置により制御されているため、水深が車両の床面を超えて車内へ浸水すると、様々な不具合が発生するおそれがあり、最悪の場合、エンジンやモーターが停止して移動できなくなります。

 

国土交通省は水に浸かった車両について、以下のような呼びかけを行っています。

 

外観上問題がなさそうな状態でも、感電事故や、電気系統のショート等による車両火災が発生するおそれがありますので、以下のように対処して下さい。

1.自分でエンジンをかけない。

2.使用したい場合には、お買い求めの販売店もしくは、最寄りの整備工場にご相談下さい。特に、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)は、高電圧のバッテリーを搭載していますので、むやみに触らないで下さい。

3.使用するまでの間、発火するおそれがありますので、バッテリーのマイナス側のターミナルを外して下さい。

 

自動車の破損の状態によっては修理対応で乗り続けることも可能ですが、水没の具合、エンジンやモーターの停止等の状態によっては全損となり買い替えになることもあります。

水没してしまうと、修理、買い替えどちらにしても高額の資金の用意が必要になります。

 

【2】車両保険で対応できるのか?

車両保険は事故により、自動車が壊れてしまった場合の修理費等を補償します。

自動車が盗難または衝突、接触、火災、爆発、台風、竜巻、洪水などの偶然な事故によって損害を被った場合に保険金が支払われます。

車両保険には一般的に「一般型」と補償範囲が限定的である「エコノミー型」があり、主に2つのプランから選択することができます。

※エコノミー型について、10補償限定、車対車・限定危険など保険会社によって呼称は様々です。

 

①一般補償の補償範囲

・自動車の衝突、接触、当て逃げ

・ご契約のお車の所有者が所有する別の自動車との追突、接触

・火災、爆発

・盗難

・台風、竜巻、洪水、高潮

・落書き、いたずら、窓ガラスの破損

・飛来中または落下中の物との衝突

・歩行者、自転車、動物との衝突

・電柱、ガードレールとの衝突

・墜落、転覆

 

 

②エコノミー型の補償範囲

・自動車の衝突、接触、当て逃げ

・ご契約のお車の所有者が所有する別の自動車との追突、接触

・火災、爆発

・盗難

・台風、竜巻、洪水、高潮

・落書き、いたずら、窓ガラスの破損

・飛来中または落下中の物との衝突

 

つまり以下の部分である「自損事故」が対象外です。

・歩行者、自転車、動物との衝突

・電柱、ガードレールとの衝突

・墜落、転覆

 

また車両保険では、地震・噴火、これらによる津波によって発生した損害については補償の対象外となります。津波による水災被害は同じ水没でも原因が地震となりますので保険金支払いの対象外です。ただし特約を付帯することで一部分の補償をすることは可能です。

 

話は戻りまして、台風や洪水は一般補償、エコノミー型どちらも補償範囲となるため、水災害による水没は車両保険で対応することができます。

 

修理不能となった場合や損害が大きく修理費用が車両保険金額を上回る場合は、契約時に設定した車両保険金額が支払われます。

 

 

 

【3】車両保険を使った場合何等級ダウン?翌年の保険料はどうなる?

自動車保険は等級別料率制度をとっているため、1~20等級という区分によって保険料が割引・割増される制度です。事故により自動車保険を使う(保険金を受け取る)と、3等級ダウン、1等級ダウン、ノーカウントのいずれかが適用されますが、台風・洪水・高潮などの水災による保険金請求の場合は1等級ダウンとなります。

 

翌年の保険料に影響が出るため、事故があった際には修理をする前に弊社またはご加入の保険会社までご連絡をお願いいたします。

【4】保険で対応できない場合はどんなとき?

保険会社によっては、車両保険が水災不担保(つまり、水没の修理費用はお支払いできません)となっていることもあります。一度ご自身の保険証券でご加入の補償内容をご確認いただくことをおすすめします。

 

【5】最後に

台風、大雨の影響による被害が全国各地で発生している昨今で、大切なお車を守るためにも車両保険は必要です。また事故が発生した際の自己負担額(免責金額)を設定することで保険料を抑えることも可能です。

水没をしてしまうと全損となり、お車の買い替えが必要となるケースも多いです。まずはご自身のお車の補償内容を改めてご確認することをおすすめします。

補償内容にご不明な点等がございましたらお気軽に弊社までご連絡ください。

 

「車両保険を付帯したら保険料はいくらになる?」「エコノミー型にした場合の保険料は?」など、WEBでの見積をお送りすることができますので、まずはお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

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